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少女は迷子だった。 たぶん迷子だった。 恐らく迷子だった。 きっと迷子だった。 やはり迷子だった。 少女の母親が猿とも狸とも虎とも蛇とも区別の付かぬ怪しげな着ぐるみを追いかけていったことを除いてではあったが。 いつものことと思い、いつもの待ち合わせの場所へ行く。 手持ち無沙汰になっていたのは最初だけで今では周囲の喧騒を楽しむことを覚えたのもやはりこれまでに母親が迷子 になったのは一度や二度ではなかったからだ。 少女は周囲を見渡す。 威勢のいい八百屋のおじさん、いつも何を延々と話しているのか気になるおばさんたち、 道行くカップル、それを見て影から呪いの言葉を吐き続けるお姉さん、 紙袋を被り下半身を露出して小学生の後をつけるおじさん、 ここは少女にとって未だ知らざる何かを教えてくれるそれはそれは素敵な場所だった。 そしてふと目の端にナニカが見咎めた。 それはボロ雑巾のようだった。 誰が見てもボロ雑巾だった。 最早ボロ雑巾以外の何ものにも見えはしなかった。 それはボロ雑巾だった。 だが1000人の内、999人がそう言ったとしても唯一人は敢えて言うだろう。 クズであると。 そのボロ雑巾が僅かに蠢き音を発する。 「……み……」 「?」 どこからと発せられたかも分からぬ音に恐怖すらせず少女は近づく。 「あの……」 「み……ず……」 「みみず?」 「……パン……」 「えっと……」 「出来ればお肉……」 「……」 「あと、お魚もあれば嬉しいな……うっへっへ……」 ボロ雑巾は最早片足を涅槃へ片足を人類の最底辺へと伸ばしていた。 戸惑いながらも少女は背負っていたバッグの中から水筒を取り出す。 「あの、みみずパンはないですけど、お水で良かったら……」 「へ?」 返答を期待をしていなかったボロ雑巾、改め黒髪の女は顔をあげて素っ頓狂な声をあげた。 「いやー助かったよーありがとうねお嬢ちゃん」 「いえ」 「……ん?」 「あの、どうかしましたか?」 「んーいや、なんかどっかで見たことあるような……」 「はじめまして、だと思いますけど……」 「そうだよね? でもどっかで……ん?」 「はい?」 「お嬢ちゃんも『こっち側』の人間?」 「え?」 「いや私と同じ匂いがするからさ」 「あの、わたし、そんなに臭いですか?」 「ああ違う違う! ていうか私臭いわよね……」 「ごめんなさい」 「それは事実だからいいんだけどさ。んでね、さっきの話だけどお嬢ちゃんも私よりの人間かなってこと」 そういって女は右手をかざす。 瞬間、小さな光が生まれ吸い込まれるように消える。 「分かるんですか? そういうのって」 「ん、長いことこっちで生活してるとね」 「そうなんですか……」 「あとこれ見て驚かなければね」 そういって女は悪戯ぽく笑う。 「でも、お嬢ちゃんってここに居るようで居ないような不思議な感じがするわね さっきは気付かなかったけどしっかり認識すればなんか妙に力感じるし」 「よく分かりません……」 不明瞭なこと言う女に少女は小首をかしげて答える。 「ああ、ごめんごめん気にしないで。あぁ、そうだ」 「はい?」 「お嬢ちゃんが誰に似てるかやっと分かった。私の友達に似てるんだ」 「お友達ですか?」 「ん? いや、友達ではないか」 自分の言った言葉を思い返し眉を少しだけ顰める。 「でも凄く似てるよ。まあアイツも私と同じ年だからお嬢ちゃんみたいなおっきな子供居る訳ないんだけどね」 「どんな人だったんですか?」 「んーどんな人だろう……」 女は苦々しいようなそれでいてどこか楽しげなことを思い出すように唸る。 「退屈はしなかったかな。私の実家って旧くて結構堅い家でね、 ちょっとどこか息苦しくて、ううん、息苦しくはなかったか。 でもアイツに会って本当の自由とか奔放さに気付かされたと言うべきなのかな。 まあ好きか嫌いかで言われれば好きだし、 今の私を作ったのもソイツのおかげと言えばそうだからある意味では凄く感謝してるって感じかな」 「素敵な人だったんですね」 「捉えどころが全くなかったけどね」 苦笑するように女は微笑む。 他愛のない会話を続けているとふと少し離れたところから手を振る人影が見えた。 「あ、ママ!」 「あらお母さん来たの?」 「ごめんねー探したちゃったよー」 少女の母親が小走りに近づく。 「ん?」 「あれ?」 「春風?」 「神楽ちゃんだー!」 「え、え?」 「ちょっと待って、お嬢ちゃんのママって春風のこと!?」 さっきまでの涼しげな表情から一転し驚愕を露にする。 「はい、あのちょっと訳ありというかそのなんと言うか……」 少女――朔は少し語尾を濁らせる。 「神楽ちゃん、久しぶり! 今日は何かのパーティー?」 「違うわよ!」 「そうなんだー。でも神楽ちゃんは何着ても似合うね。それもすっごく良いよー」 「こんなの着こなせるわけないでしょ!」 「そんなことないよーすっごく似合うよー」 屈託のない笑顔で春は褒める。 「あのね朔、神楽ちゃんは私の一番のお友達でね」 「世話係と言っていいわね」 「朝は毎日迎えにきてくれたし」 「いつも遅刻ぎりぎりだったわね」 「お昼のお弁当作ってきてくれたし」 「あなたがHRにお弁当食べててお昼にお腹すいたってうるさかったからね」 「お勉強も教えてくれたし」 「落第されないようにね」 「そしていつも家まで送ってくれてたんだよー」 「どうして通学路で迷子になれるのか一度ちゃんと聞いてみたかったわ」 「学生の頃ってとっても楽しかったよね」 「え え 、 す ご く 退 屈 し な か っ た わ 」 「えへへー」 「あ、あの、ごめんなさい……」 思わず朔は頭を下げた。 それから少しだけ昔の話に花が咲いた。 楽しげに語る春、憎憎しげに答える神楽、謝る朔。 それはどこか重苦しい反面、とても楽しいものに見えた。 その時、18時を知らせる鐘が鳴った。 「あ、そろそろお夕飯の時間だ」 「あんたが作ってるの?」 「ううん、夏が作ってくれるんだよ」 どこか自慢げに春は答える。 「……ああ、そう」 「それじゃそろそろ行くね。じゃあね神楽ちゃん!」 「はいはいサヨナラサヨナラ」 「お姉さん、さようなら」 「うん、さようなら。あ、私のことは神楽で良いわよ。お嬢ちゃ……朔ちゃんで良い?」 「はい」 「それじゃまたね朔ちゃん」 「はい、神楽さんも」 「またねー神楽ちゃん」 「はいはいサヨナラサヨナラ」 手を振る春を見送り、神楽もまたその場所を離れた。 何気なく帰ってきた故郷で思わぬ再会を果たした神楽は少しだけ郷愁とはこう言うものかと感じていた。 「あら姉さん?」 違う世界に思いを馳せていた神楽は呼び止められ我に返る。 「雅?」 「お久しぶりです。今日は何かのパーティーですか?」 「あんた分かってて言ってるでしょ?」 「いえそんなことは。でも姉さんは何を着てもお似合いですわね」 「……それはさっき聞いてわ。皮肉じゃなくて本心の言葉でね」 「あら」 「……」 「……」 「…………」 「今日は家に帰られるんですか?」 「別に公園でも良いわよ。慣れれば都よ」 「公園で都なら家は天国ですわね」 「……」 「……」 「あんたは相変わらずね」 「姉さんも少しも変わっていらっしゃらないですよ?」 「それは喧嘩売ってるのかしら?」 「いえ、大学に進まれる前の顔をしていらっしゃいますから」 「?」 「何か良いことでもありました?」 「あぁ……良いこと、ではないかな。でも……もしかすると良いことだったかもしれないわ」 「そうですか。でもそう思えるならきっと素敵なことだったんでしょうね」 「そうね。……たまには家にも顔出しておこうかな」 「お父様とお母様とお祖父様とお祖母様もきっと喜びますわ」 「こんななりで喜ぶと思う?」 「皆様世間知らずですからきっと何かの衣装かと思いますわ」 「……たまにあんたが怖くなるわ」 やはり微笑む雅を横目に神楽は肩を竦め久しぶりの我が家への帰路へ付いた。 「四堂家物語―いつかのあの日のあの場所で―」
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わざリスト五十音順 ビッグをお使いください No. ビッグ リトル 名前 アドレス 0000 0000 0000 なし 01DC86EC 0085 0055 5500 10まんボルト 01DC8C3C 0359 0167 6701 アームハンマー 01DC9D5C 0231 00E7 E700 アイアンテール 01DC955C 0442 01BA BA01 アイアンヘッド 01DCA28C 0301 012D 2D01 アイスボール 01DC99BC 0453 01C5 C501 アクアジェット 01DCA33C 0401 0191 9101 アクアテール 01DC9FFC 0392 0188 8801 アクアリング 01DC9F6C 0460 01CC CC01 あくうせつだん 01DCA3AC 0399 018F 8F01 あくのはどう 01DC9FDC 0281 0119 1901 あくび 01DC987C 0142 008E 8E00 あくまのキッス 01DC8FCC 0171 00AB AB00 あくむ 01DC919C 0234 00EA EA00 あさのひざし 01DC958C 0233 00E9 E900 あてみなげ 01DC957C 0091 005B 5B00 あなをほる 01DC8C9C 0037 0025 2500 あばれる 01DC893C 0230 00E6 E600 あまいかおり 01DC954C 0204 00CC CC00 あまえる 01DC93AC 0240 00F0 F000 あまごい 01DC95EC 0466 01D2 D201 あやしいかぜ 01DCA40C 0109 006D 6D00 あやしいひかり 01DC8DBC 0258 0102 0201 あられ 01DC970C 0312 0138 3801 アロマセラピー 01DC9A6C 0145 0091 9100 あわ 01DC8FFC 0227 00E3 E300 アンコール 01DC951C 0015 000F 0F00 いあいぎり 01DC87DC 0380 017C 7C01 いえき 01DC9EAC 0099 0063 6300 いかり 01DC8D1C 0162 00A2 A200 いかりのまえば 01DC910C 0220 00DC DC00 いたみわけ 01DC94AC 0259 0103 0301 いちゃもん 01DC971C 0081 0051 5100 いとをはく 01DC8BFC 0207 00CF CF00 いばる 01DC93DC 0173 00AD AD00 いびき 01DC91BC 0215 00D7 D700 いやしのすず 01DC945C 0361 0169 6901 いやしのねがい 01DC9D7C 0103 0067 6700 いやなおと 01DC8D5C 0088 0058 5800 いわおとし 01DC8C6C 0249 00F9 F900 いわくだき 01DC967C 0157 009D 9D00 いわなだれ 01DC90BC 0370 0172 7201 インファイト 01DC9E0C 0311 0137 3701 ウェザーボール 01DC9A5C 0250 00FA FA00 うずしお 01DC968C 0313 0139 3901 うそなき 01DC9A7C 0047 002F 2F00 うたう 01DC89DC 0452 01C4 C401 ウッドハンマー 01DCA32C 0180 00B4 B400 うらみ 01DC922C 0314 013A 3A01 エアカッター 01DC9A8C 0403 0193 9301 エアスラッシュ 01DCA01C 0177 00B1 B100 エアロブラスト 01DC91FC 0412 019C 9C01 エナジーボール 01DCA0AC 0108 006C 6C00 えんまく 01DC8DAC 0228 00E4 E400 おいうち 01DC952C 0366 016E 6E01 おいかぜ 01DC9DCC 0003 0003 0300 おうふくビンタ 01DC871C 0119 0077 7700 オウムがえし 01DC8E5C 0315 013B 3B01 オーバーヒート 01DC9A9C 0062 003E 3E00 オーロラビーム 01DC8ACC 0262 0106 0601 おきみやげ 01DC974C 0190 00BE BE00 オクタンほう 01DC92CC 0386 0182 8201 おしおき 01DC9F0C 0448 01C0 C001 おしゃべり 01DCA2EC 0260 0104 0401 おだてる 01DC972C 0310 0136 3601 おどろかす 01DC9A4C 0261 0105 0501 おにび 01DC973C 0381 017D 7D01 おまじない 01DC9EBC 0216 00D8 D800 おんがえし 01DC946C 0288 0120 2001 おんねん 01DC98EC 0385 0181 8101 ガードスワップ 01DC9EFC 0456 01C8 C801 かいふくしれい 01DCA36C 0377 0179 7901 かいふくふうじ 01DC9E7C 0070 0046 4600 かいりき 01DC8B4C 0068 0044 4400 カウンター 01DC8B2C 0172 00AC AC00 かえんぐるま 01DC91AC 0053 0035 3500 かえんほうしゃ 01DC8A3C 0316 013C 3C01 かぎわける 01DC9AAC 0159 009F 9F00 かくばる 01DC90DC 0425 01A9 A901 かげうち 01DCA17C 0104 0068 6800 かげぶんしん 01DC8D6C 0016 0010 1000 かぜおこし 01DC87EC 0106 006A 6A00 かたくなる 01DC8D8C 0050 0032 3200 かなしばり 01DC8A0C 0013 000D 0D00 かまいたち 01DC87BC 0117 0075 7500 がまん 01DC8E3C 0242 00F2 F200 かみくだく 01DC960C 0044 002C 2C00 かみつく 01DC89AC 0087 0057 5700 かみなり 01DC8C5C 0422 01A6 A601 かみなりのキバ 01DCA14C 0009 0009 0900 かみなりパンチ 01DC877C 0283 011B 1B01 がむしゃら 01DC989C 0263 0107 0701 からげんき 01DC975C 0002 0002 0200 からてチョップ 01DC870C 0128 0080 8000 からではさむ 01DC8EEC 0110 006E 6E00 からにこもる 01DC8DCC 0132 0084 8400 からみつく 01DC8F2C 0280 0118 1801 かわらわり 01DC986C 0317 013D 3D01 がんせきふうじ 01DC9ABC 0439 01B7 B701 がんせきほう 01DCA25C 0411 019B 9B01 きあいだま 01DCA09C 0116 0074 7400 きあいだめ 01DC8E2C 0264 0108 0801 きあいパンチ 01DC976C 0416 01A0 A001 ギガインパクト 01DCA0EC 0202 00CA CA00 ギガドレイン 01DC938C 0179 00B3 B300 きしかいせい 01DC921C 0265 0109 0901 きつけ 01DC977C 0147 0093 9300 キノコのほうし 01DC901C 0141 008D 8D00 きゅうけつ 01DC8FBC 0163 00A3 A300 きりさく 01DC911C 0432 01B0 B001 きりばらい 01DCA1EC 0376 0178 7801 きりふだ 01DC9E6C 0318 013E 3E01 ぎんいろのかぜ 01DC9ACC 0319 013F 3F01 きんぞくおん 01DC9ADC 0320 0140 4001 くさぶえ 01DC9AEC 0447 01BF BF01 くさむすび 01DCA2DC 0321 0141 4101 くすぐる 01DC9AFC 0169 00A9 A900 クモのす 01DC917C 0152 0098 9800 クラブハンマー 01DC906C 0114 0072 7200 くろいきり 01DC8E0C 0212 00D4 D400 くろいまなざし 01DC942C 0238 00EE EE00 クロスチョップ 01DC95CC 0440 01B8 B801 クロスポイズン 01DCA26C 0200 00C8 C800 げきりん 01DC936C 0067 0043 4300 けたぐり 01DC8B1C 0246 00F6 F600 げんしのちから 01DC964C 0454 01C6 C601 こうげきしれい 01DCA34C 0235 00EB EB00 こうごうせい 01DC959C 0097 0061 6100 こうそくいどう 01DC8CFC 0229 00E5 E500 こうそくスピン 01DC953C 0423 01A7 A701 こおりのキバ 01DCA15C 0420 01A4 A401 こおりのつぶて 01DCA12C 0196 00C4 C400 こごえるかぜ 01DC932C 0170 00AA AA00 こころのめ 01DC918C 0322 0142 4201 コスモパワー 01DC9B0C 0143 008F 8F00 ゴッドバード 01DC8FDC 0181 00B5 B500 こなゆき 01DC923C 0266 010A 0A01 このゆびとまれ 01DC978C 0309 0135 3501 コメットパンチ 01DC9A3C 0203 00CB CB00 こらえる 01DC939C 0205 00CD CD00 ころがる 01DC93BC 0184 00B8 B800 こわいかお 01DC926C 0060 003C 3C00 サイケこうせん 01DC8AAC 0149 0095 9500 サイコウェーブ 01DC903C 0427 01AB AB01 サイコカッター 01DCA19C 0094 005E 5E00 サイコキネシス 01DC8CCC 0375 0177 7701 サイコシフト 01DC9E5C 0354 0162 6201 サイコブースト 01DC9D0C 0095 005F 5F00 さいみんじゅつ 01DC8CDC 0382 017E 7E01 さきどり 01DC9ECC 0373 0175 7501 さしおさえ 01DC9E3C 0449 01C1 C101 さばきのつぶて 01DCA2FC 0253 00FD FD00 さわぐ 01DC96BC 0465 01D1 D101 シードフレア 01DCA3FC 0323 0143 4301 しおふき 01DC9B1C 0362 016A 6A01 しおみず 01DC9D8C 0324 0144 4401 シグナルビーム 01DC9B2C 0244 00F4 F400 じこあんじ 01DC962C 0066 0042 4200 じごくぐるま 01DC8B0C 0105 0069 6900 じこさいせい 01DC8D7C 0404 0194 9401 シザークロス 01DCA02C 0089 0059 5900 じしん 01DC8C7C 0267 010B 0B01 しぜんのちから 01DC979C 0363 016B 6B01 しぜんのめぐみ 01DC9D9C 0122 007A 7A00 したでなめる 01DC8E8C 0175 00AF AF00 じたばた 01DC91DC 0371 0173 7301 しっぺがえし 01DC9E1C 0039 0027 2700 しっぽをふる 01DC895C 0428 01AC AC01 しねんのずつき 01DCA1AC 0120 0078 7800 じばく 01DC8E6C 0078 004E 4E00 しびれごな 01DC8BCC 0378 017A 7A01 しぼりとる 01DC9E8C 0020 0014 1400 しめつける 01DC882C 0360 0168 6801 ジャイロボール 01DC9D6C 0421 01A5 A501 シャドークロー 01DCA13C 0467 01D3 D301 シャドーダイブ 01DCA41C 0325 0145 4501 シャドーパンチ 01DC9B3C 0247 00F7 F700 シャドーボール 01DC965C 0268 010C 0C01 じゅうでん 01DC97AC 0356 0164 6401 じゅうりょく 01DC9D2C 0054 0036 3600 しろいきり 01DC8A4C 0090 005A 5A00 じわれ 01DC8C8C 0410 019A 9A01 しんくうは 01DCA08C 0245 00F5 F500 しんそく 01DC963C 0326 0146 4601 じんつうりき 01DC9B4C 0219 00DB DB00 しんぴのまもり 01DC949C 0071 0047 4700 すいとる 01DC8B5C 0327 0147 4701 スカイアッパー 01DC9B5C 0285 011D 1D01 スキルスワップ 01DC98BC 0166 00A6 A600 スケッチ 01DC914C 0029 001D 1D00 ずつき 01DC88BC 0038 0026 2600 すてみタックル 01DC894C 0446 01BE BE01 ステルスロック 01DCA2CC 0444 01BC BC01 ストーンエッジ 01DCA2AC 0201 00C9 C900 すなあらし 01DC937C 0028 001C 1C00 すなかけ 01DC88AC 0328 0148 4801 すなじごく 01DC9B6C 0209 00D1 D100 スパーク 01DC93FC 0129 0081 8100 スピードスター 01DC8EFC 0134 0086 8600 スプーンまげ 01DC8F4C 0123 007B 7B00 スモッグ 01DC8E9C 0415 019F 9F01 すりかえ 01DCA0DC 0074 004A 4A00 せいちょう 01DC8B8C 0221 00DD DD00 せいなるほのお 01DC94BC 0329 0149 4901 ぜったいれいど 01DC9B7C 0076 004C 4C00 ソーラービーム 01DC8BAC 0049 0031 3100 ソニックブーム 01DC89FC 0019 0013 1300 そらをとぶ 01DC881C 0464 01D0 D001 ダークホール 01DCA3EC 0033 0021 2100 たいあたり 01DC88FC 0414 019E 9E01 だいちのちから 01DCA0CC 0153 0099 9900 だいばくはつ 01DC907C 0291 0123 2301 ダイビング 01DC991C 0126 007E 7E00 だいもんじ 01DC8ECC 0127 007F 7F00 たきのぼり 01DC8EDC 0330 014A 4A01 だくりゅう 01DC9B8C 0254 00FE FE00 たくわえる 01DC96CC 0441 01B9 B901 ダストシュート 01DCA27C 0021 0015 1500 たたきつける 01DC883C 0239 00EF EF00 たつまき 01DC95DC 0402 0192 9201 タネばくだん 01DCA00C 0331 014B 4B01 タネマシンガン 01DC9B9C 0458 01CA CA01 ダブルアタック 01DCA38C 0041 0029 2900 ダブルニードル 01DC897C 0135 0087 8700 タマゴうみ 01DC8F5C 0121 0079 7900 タマゴばくだん 01DC8E7C 0185 00B9 B900 だましうち 01DC927C 0140 008C 8C00 たまなげ 01DC8FAC 0372 0174 7401 ダメおし 01DC9E2C 0107 006B 6B00 ちいさくなる 01DC8D9C 0069 0045 4500 ちきゅうなげ 01DC8B3C 0451 01C3 C301 チャージビーム 01DCA31C 0048 0030 3000 ちょうおんぱ 01DC89EC 0269 010D 0D01 ちょうはつ 01DC97BC 0365 016D 6D01 ついばむ 01DC9DBC 0236 00EC EC00 つきのひかり 01DC95AC 0400 0190 9001 つじぎり 01DC9FEC 0064 0040 4000 つつく 01DC8AEC 0292 0124 2401 つっぱり 01DC992C 0030 001E 1E00 つのでつく 01DC88CC 0032 0020 2000 つのドリル 01DC88EC 0017 0011 1100 つばさでうつ 01DC87FC 0332 014C 4C01 つばめがえし 01DC9BAC 0367 016F 6F01 つぼをつく 01DC9DDC 0333 014D 4D01 つららばり 01DC9BBC 0014 000E 0E00 つるぎのまい 01DC87CC 0022 0016 1600 つるのムチ 01DC884C 0160 00A0 A000 テクスチャー 01DC90EC 0176 00B0 B000 テクスチャー2 01DC91EC 0270 010E 0E01 てだすけ 01DC97CC 0334 014E 4E01 てっぺき 01DC9BCC 0100 0064 6400 テレポート 01DC8D2C 0084 0054 5400 でんきショック 01DC8C2C 0351 015F 5F01 でんげきは 01DC9CDC 0098 0062 6200 でんこうせっか 01DC8D0C 0186 00BA BA00 てんしのキッス 01DC928C 0086 0056 5600 でんじは 01DC8C4C 0393 0189 8901 でんじふゆう 01DC9F7C 0192 00C0 C000 でんじほう 01DC92EC 0335 014F 4F01 とおせんぼう 01DC9BDC 0336 0150 5001 とおぼえ 01DC9BEC 0459 01CB CB01 ときのほうこう 01DCA39C 0139 008B 8B00 どくガス 01DC8F9C 0398 018E 8E01 どくづき 01DC9FCC 0092 005C 5C00 どくどく 01DC8CAC 0305 0131 3101 どくどくのキバ 01DC99FC 0077 004D 4D00 どくのこな 01DC8BBC 0040 0028 2800 どくばり 01DC896C 0390 0186 8601 どくびし 01DC9F4C 0131 0083 8300 とげキャノン 01DC8F1C 0151 0097 9700 とける 01DC905C 0036 0024 2400 とっしん 01DC892C 0387 0183 8301 とっておき 01DC9F1C 0026 001A 1A00 とびげり 01DC888C 0340 0154 5401 とびはねる 01DC9C2C 0136 0088 8800 とびひざげり 01DC8F6C 0161 00A1 A100 トライアタック 01DC90FC 0337 0151 5101 ドラゴンクロー 01DC9BFC 0407 0197 9701 ドラゴンダイブ 01DCA05C 0271 010F 0F01 トリック 01DC97DC 0433 01B1 B101 トリックルーム 01DCA1FC 0167 00A7 A700 トリプルキック 01DC915C 0065 0041 4100 ドリルくちばし 01DC8AFC 0409 0199 9901 ドレインパンチ 01DCA07C 0300 012C 2C01 どろあそび 01DC99AC 0189 00BD BD00 どろかけ 01DC92BC 0426 01AA AA01 どろばくだん 01DCA18C 0168 00A8 A800 どろぼう 01DC916C 0133 0085 8500 ドわすれ 01DC8F3C 0369 0171 7101 とんぼがえり 01DC9DFC 0101 0065 6500 ナイトヘッド 01DC8D3C 0045 002D 2D00 なきごえ 01DC89BC 0374 0176 7601 なげつける 01DC9E4C 0303 012F 2F01 なまける 01DC99DC 0057 0039 3900 なみのり 01DC8A7C 0388 0184 8401 なやみのタネ 01DC9F2C 0272 0110 1001 なりきり 01DC97EC 0302 012E 2E01 ニードルアーム 01DC99CC 0462 01CE CE01 にぎりつぶす 01DCA3CC 0024 0018 1800 にどげり 01DC886C 0241 00F1 F100 にほんばれ 01DC95FC 0043 002B 2B00 にらみつける 01DC899C 0273 0111 1101 ねがいごと 01DC97FC 0252 00FC FC00 ねこだまし 01DC96AC 0214 00D6 D600 ねごと 01DC944C 0006 0006 0600 ネコにこばん 01DC874C 0274 0112 1201 ねこのて 01DC980C 0257 0101 0101 ねっぷう 01DC96FC 0079 004F 4F00 ねむりごな 01DC8BDC 0156 009C 9C00 ねむる 01DC90AC 0275 0113 1301 ねをはる 01DC981C 0093 005D 5D00 ねんりき 01DC8CBC 0034 0022 2200 のしかかり 01DC890C 0256 0100 0001 のみこむ 01DC96EC 0174 00AE AE00 のろい 01DC91CC 0391 0187 8701 ハートスワップ 01DC9F5C 0338 0152 5201 ハードプラント 01DC9C0C 0308 0134 3401 ハイドロカノン 01DC9A2C 0056 0038 3800 ハイドロポンプ 01DC8A6C 0304 0130 3001 ハイパーボイス 01DC99EC 0063 003F 3F00 はかいこうせん 01DC8ADC 0276 0114 1401 ばかぢから 01DC982C 0211 00D3 D300 はがねのつばさ 01DC941C 0255 00FF FF00 はきだす 01DC96DC 0223 00DF DF00 ばくれつパンチ 01DC94DC 0012 000C 0C00 ハサミギロチン 01DC87AC 0011 000B 0B00 はさむ 01DC879C 0282 011A 1A01 はたきおとす 01DC988C 0001 0001 0100 はたく 01DC86FC 0395 018B 8B01 はっけい 01DC9F9C 0075 004B 4B00 はっぱカッター 01DC8B9C 0396 018C 8C01 はどうだん 01DC9FAC 0226 00E2 E200 バトンタッチ 01DC950C 0080 0050 5000 はなびらのまい 01DC8BEC 0355 0163 6301 はねやすめ 01DC9D1C 0150 0096 9600 はねる 01DC904C 0061 003D 3D00 バブルこうせん 01DC8ABC 0353 0161 6101 はめつのねがい 01DC9CFC 0187 00BB BB00 はらだいこ 01DC929C 0112 0070 7000 バリアー 01DC8DEC 0418 01A2 A201 パレットパンチ 01DCA10C 0438 01B6 B601 パワーウィップ 01DCA24C 0408 0198 9801 パワージェム 01DCA06C 0384 0180 8001 パワースワップ 01DC9EEC 0379 017B 7B01 パワートリック 01DC9E9C 0113 0071 7100 ひかりのかべ 01DC8DFC 0010 000A 0A00 ひっかく 01DC878C 0158 009E 9E00 ひっさつまえば 01DC90CC 0052 0034 3400 ひのこ 01DC8A2C 0290 0122 2201 ひみつのちから 01DC990C 0146 0092 9200 ピヨピヨパンチ 01DC900C 0339 0153 5301 ビルドアップ 01DC9C1C 0389 0185 8501 ふいうち 01DC9F3C 0286 011E 1E01 ふういん 01DC98CC 0364 016C 6C01 フェイント 01DC9DAC 0297 0129 2901 フェザーダンス 01DC997C 0018 0012 1200 ふきとばし 01DC880C 0251 00FB FB00 ふくろだたき 01DC969C 0059 003B 3B00 ふぶき 01DC8A9C 0023 0017 1700 ふみつけ 01DC885C 0307 0133 3301 ブラストバーン 01DC9A1C 0148 0094 9400 フラッシュ 01DC902C 0298 012A 2A01 フラフラダンス 01DC998C 0394 018A 8A01 フレアドライブ 01DC9F8C 0306 0132 3201 ブレイククロー 01DC9A0C 0299 012B 2B01 ブレイズキック 01DC999C 0413 019D 9D01 ブレイブバード 01DCA0BC 0217 00D9 D900 プレゼント 01DC947C 0436 01B4 B401 ふんえん 01DCA22C 0284 011C 1C01 ふんか 01DC98AC 0124 007C 7C00 ヘドロこうげき 01DC8EAC 0188 00BC BC00 ヘドロばくだん 01DC92AC 0137 0089 8900 へびにらみ 01DC8F7C 0144 0090 9000 へんしん 01DC8FEC 0342 0156 5601 ポイズンテール 01DC9C4C 0455 01C7 C701 ぼうぎょしれい 01DCA35C 0435 01B3 B301 ほうでん 01DCA21C 0046 002E 2E00 ほえる 01DC89CC 0198 00C6 C600 ボーンラッシュ 01DC934C 0293 0125 2501 ほごしょく 01DC993C 0343 0157 5701 ほしがる 01DC9C5C 0294 0126 2601 ほたるび 01DC994C 0125 007D 7D00 ホネこんぼう 01DC8EBC 0155 009B 9B00 ホネブーメラン 01DC909C 0083 0053 5300 ほのおのうず 01DC8C1C 0424 01A8 A801 ほのおのキバ 01DCA16C 0007 0007 0700 ほのおのパンチ 01DC875C 0344 0158 5801 ボルテッカー 01DC9C6C 0195 00C3 C300 ほろびのうた 01DC931C 0035 0023 2300 まきつく 01DC891C 0191 00BF BF00 まきびし 01DC92DC 0222 00DE DE00 マグニチュード 01DC94CC 0443 01BB BB01 マグネットボム 01DCA29C 0463 01CF CF01 マグマストーム 01DCA3DC 0345 0159 5901 マジカルリーフ 01DC9C7C 0277 0115 1501 マジックコート 01DC983C 0341 0155 5501 マッドショット 01DC9C3C 0183 00B7 B700 マッハパンチ 01DC925C 0383 017F 7F01 まねっこ 01DC9EDC 0182 00B6 B600 まもる 01DC924C 0111 006F 6F00 まるくなる 01DC8DDC 0027 001B 1B00 まわしげり 01DC889C 0461 01CD CD01 みかづきのまい 01DCA3BC 0164 00A4 A400 みがわり 01DC912C 0197 00C5 C500 みきり 01DC933C 0042 002A 2A00 ミサイルばり 01DC898C 0346 015A 5A01 みずあそび 01DC9C8C 0055 0037 3700 みずでっぽう 01DC8A5C 0296 0128 2801 ミストボール 01DC996C 0352 0160 6001 みずのはどう 01DC9CEC 0031 001F 1F00 みだれづき 01DC88DC 0154 009A 9A00 みだれひっかき 01DC908C 0194 00C2 C200 みちづれ 01DC930C 0206 00CE CE00 みねうち 01DC93CC 0193 00C1 C100 みやぶる 01DC92FC 0243 00F3 F300 ミラーコート 01DC961C 0429 01AD AD01 ミラーショット 01DCA1BC 0248 00F8 F800 みらいよち 01DC966C 0357 0165 6501 ミラクルアイ 01DC9D3C 0208 00D0 D000 ミルクのみ 01DC93EC 0450 01C2 C201 むしくい 01DCA30C 0405 0195 9501 むしのさざめき 01DCA03C 0347 015B 5B01 めいそう 01DC9C9C 0072 0048 4800 メガドレイン 01DC8B6C 0025 0019 1900 メガトンキック 01DC887C 0005 0005 0500 メガトンパンチ 01DC873C 0224 00E0 E000 メガホーン 01DC94EC 0358 0166 6601 めざましビンタ 01DC9D4C 0237 00ED ED00 めざめるパワー 01DC95BC 0232 00E8 E800 メタルクロー 01DC956C 0368 0170 7001 メタルバースト 01DC9DEC 0213 00D5 D500 メロメロ 01DC943C 0102 0066 6600 ものまね 01DC8D4C 0457 01C9 C901 もろはのずつき 01DCA37C 0218 00DA DA00 やつあたり 01DC948C 0073 0049 4900 やどりぎのタネ 01DC8B7C 0445 01BD BD01 ゆうわく 01DCA2BC 0419 01A3 A301 ゆきなだれ 01DCA11C 0118 0076 7600 ゆびをふる 01DC8E4C 0138 008A 8A00 ゆめくい 01DC8F8C 0051 0033 3300 ようかいえき 01DC8A1C 0096 0060 6000 ヨガのポーズ 01DC8CEC 0289 0121 2101 よこどり 01DC98FC 0430 01AE AE01 ラスターカノン 01DCA1CC 0295 0127 2701 ラスターパージ 01DC995C 0437 01B5 B501 リーフストーム 01DCA23C 0348 015C 5C01 リーフブレード 01DC9CAC 0278 0116 1601 リサイクル 01DC984C 0115 0073 7300 リフレクター 01DC8E1C 0287 011F 1F01 リフレッシュ 01DC98DC 0279 0117 1701 リベンジ 01DC985C 0434 01B2 B201 りゅうせいぐん 01DCA20C 0082 0052 5200 りゅうのいかり 01DC8C0C 0225 00E1 E100 りゅうのいぶき 01DC94FC 0406 0196 9601 りゅうのはどう 01DCA04C 0349 015D 5D01 りゅうのまい 01DC9CBC 0008 0008 0800 れいとうパンチ 01DC876C 0058 003A 3A00 れいとうビーム 01DC8A8C 0210 00D2 D200 れんぞくぎり 01DC940C 0004 0004 0400 れんぞくパンチ 01DC872C 0130 0082 8200 ロケットずつき 01DC8F0C 0199 00C7 C700 ロックオン 01DC935C 0397 018D 8D01 ロックカット 01DC9FBC 0431 01AF AF01 ロッククライム 01DCA1DC 0350 015E 5E01 ロックブラスト 01DC9CCC 0178 00B2 B200 わたほうし 01DC920C 0165 00A5 A500 わるあがき 01DC913C 0417 01A1 A101 わるだくみ 01DCA0FC
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シャープ測距モジュール [GP2Y0A21YK] http //akizukidenshi.com/catalog/g/gI-02551/ 10〜80cm http //nekosan0.bake-neko.net/connection_ir_measure.html
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盛夏の始まり ~YELLOW~ 7月も後半に差し掛かり、昼になるにつれて気温がどんどん上がる季節となってきていた。朝から気温は20度を超え ている日もしばしばあり、半そでで外を出ないと辛い。 もちろん、制服も夏服だ。女子は半袖の白いセーラー服だが、イエローは違った。なぜか、男子制服の半袖カッター シャツを着ているのだ。下は黒い長ズボン。 これはくせなのでしょうがない。グリーンに色々と言われる時もあるが、どうもスカートは自分に似合わないような気が するのだ。 だから、周りに何を言われようが気にしないようにしていた。 自分の服装を見ながら、イエローは3年B組の自分の席にて色々と考え込んでいた。 今はもう放課後になりつつある。6時間目の授業が終わり、今からクラブが始まるはずなのだが・・・・ 今日は行く気がしない。いや、もちろん行くのだが、どうもそれ以上に気になる事が多すぎるのだ。 今日は、驚くことが多かった。 そう、あまりも多かったのだ。自分がこれまでの人生の中で経験してきた中でも、かなり多さで、「今日は何かあるん だろうか・・・・?」と思わずにはいられなかった。 第一に、 「え?今日はゴールドさんの誕生日だったんですか?」 「はあ、はあ、・・・そ、そうなんです・・・・・」 今日の朝。久しぶりに朝練に顔を出し、ちょっとしたウォーミングアップをしていると、学園に着いたばかりらしいクリス が話し掛けてきたのだ。 内容は、7月24日の今日がゴールドの誕生日だということ。 この話はかなり驚いた。すっかり忘れていたのだ。 だから、それをクリスに正直に「どうしましょう・・・プレゼントとか買ってませんね」と言った。 すると、 「それならちょうど良かった。今日の部活の後に私の家でパーティをしたらどうかな?と思ってて・・・・・イエローさんも 協力してくれませんか?」 最初、この話を聞いた時はかなりありがたかった。ゴールドのプレゼントを買うには時間が無く、このままでは何もお 祝いができなくなってしまうと思っていたからだ。やはり、友達の誕生日はちゃんと祝いたいもの。 しかし、そう言われて疑問が浮かんだ。 パーティをするのなら普通、誕生日の人の家で行うはず・・・・それがどうしてクリスの家で? イエローはその疑問を、躊躇なくクリスにぶつけてみた。 「・・・・・・どうしてクリスさんの家で?」 だが、クリスはその言葉を聞くと一瞬にして顔を赤くして「え、いや、その・・・・・ママが・・・その・・・・」としどろもどろに 答えるだけだった。 途切れ途切れに出される言葉を理解することはできず、唯一はっきり聞こえた「ママ?」という単語を聞き返してみ た。 だが、クリスはそれを聞いて一層に顔を赤くし、 「と、とにかく!私の家ですることになったんです!協力してくれますか!?」 と、誤魔化すように言葉を一気に吐いたので、イエローは驚きつつも「も、もちろんです」と、答えた。 クリスはそれを聞くと、明らかにほっとした様子で「あ、ありがとうございます!」と言った。そして今後の予定を伝える と、さっさと校舎の中に入っていった。 だが、慌てたそんなクリスを見てますます疑問が高まったのだ。 「どうして・・・・・?」 その時は、そう呟く事しかできなかった。 まあ、これはまだいい。クリスが、ゴールドを本気で祝いたいと思っていると結論づければ、まだ疑問は湧かない。 次に驚いた事は・・・・ 「あれ?ジェルさんがまだ来てないみたい・・」 朝練を終えて教室に戻ると、ジェルブがまだ教室にいなかった。 その時の時間は、もうすでに始業2分前だった。 いくらレッドに遅刻が多くても、やはりちゃんと始業前に着くべきなのだが・・・・その時、彼の姿は教室の何処にもい なかった。 「遅刻かな・・・?」 その時はそう思っていたものの、遅刻はありえないものだ。ジェルブは、あの転校初日の遅刻を除いて1回も始業ベ ルに遅れた事がない。いつも自分が教室に来ると、すでに椅子に座っているのが常だった。 ――う~ん、それとも風邪かな?―- イエローはそう推測したが、その答えは出される事は無かった。 ジェルブは結局1度も学校に姿を現していないのだ。 これもまあ、風邪だと思えばまだ結論づけられる。ジェルブが風邪を引くなんてほとんどありえないと思うが、彼だって 人間だ。風邪だって引くだろう。 ただ、次の問題は明らかに結論が出ない。 朝の始業ベルちょうど。 ジェルブが来ていない事を疑問に思いながら、その時は自分の席に座っていた。 そして、HRの時間に入る。レッドは遅刻魔。絶対にHRに間に合わない、と教室の誰もがそう心の中で思っていた。 自分もその内の1人だ。 だが予想に反して、教室のドアが開いた。 「はいはい、席につきなさい」 ――あれ?―― が、教室に入ってきたのは保険医のナナミだったのだ。 周りから「おいおい、レッド先生は?」「HRじゃないの?」という声が聞こえていた。 イエローも思った。レッドはどうしたのだろうか?と。 周りが騒いでいる中、ナナミが黒板の前でHRを始める。 「今日、レッド先生は諸事情によりお休みです。そのため、今日のHRは私がすることになりました」 「どうしてレッド先生は休みなんですか?」 ある生徒がナナミに質問する。 しかし、ナナミはただ「さあ・・・私もその辺は知らないのよ・・・・」と言うだけで、詳しい事は何も話さなかった。というよ り、本当に知らなさそうだったのだ。 「それでは、HRをはじめます。まず始めに―――――」 ナナミがHRでの連絡を始めていたが、その時はそんなことを聞いていられず、ただレッドが休んだ理由を机の上で考 えていた。 ――風邪・・・かな?だけど、レッド先生はここ数年風邪なんか引いてないって言ってたし・・・―― レッドはかなり丈夫な方で、風邪はおろか、腹痛を起こしている所も見たことは無かった。 よって、風邪というのは十中八九ありえない。だいたい風邪なら風邪だとレッドが学園に連絡するはずだ。 なら何か? 諸事情ということは、やはり何か大事な用事なのだろう。しかしそれが分からない。 誰か知り合いが急死して、その人の葬式だとか? ――ん?あれ?この感じ、前にもあったような・・・―― そこまで考えて、何か既視感のようなものを覚えた。ずっと前にもこんなことを考えていたような気がするのだ。 必死になってその既視感を記憶の中から引きずり起こそうと、頭を抱えた。 ――う~ん?―― そして、記憶の引き出しから出てきたのは・・ ――・・・そうだ!去年のこの日だ!―― それは確かな記憶。 去年の7月24日も、ゴールドのプレゼントを何にしようかを考えつつ、レッドの休んだ理由を推測していた記憶がある のだ。 よく思い出してみると、それは1年生――つまり2年前もそうだった気がした。 ――う~ん・・・いったい・・・・?―― いくら考えても、その答えは出ないままだった。 その答えは、放課後となった今でも出ていない。 レッドが何故休んだのか・・・・・やはり分からない。明日にでも聞いてみようか、と思っている。 だが1年前の自分も、同じ様に不思議に思って聞いているはずだ。なのに知らないということは・・・レッドは、この日 に何か隠したい出来事でもあるのだろうか・・・? ※ これら3つの気になる事が、放課後となった今でも頭に残っている。 ――・・・・・はぁ~・・なんで、今日はこんなに気になる事が多いんだろう・・―― イエローはそう思って、机の上に寝そべった。 周りにはもう誰一人いなかった。授業が終わってからかなり時間が経っており、皆、部活に行ったり帰宅していたりな のだろう。 ――・・・・もう、行こう―― こうやって考えていてもしょうがない。もう、身体を動かして全てを忘れよう。 そう思ったイエローは、椅子から立ち上がり、灰色のカバンを持った。 部活・・ 気になる事を吹き飛ばそうと、イエローは部活を頑張った。 だが、それ以上に今日の部活は結構ハードだった。やっと部活が終わった今、周りのみんなはもちろん、イエローで さえ倒れそうなほどに疲れていた。 その理由だが・・・ 「それでは、これで今日の部活は終わる。各自気を付けて帰るように」 グリーンが今日の練習の指示を出していた、からだった。 ただアドバイスをしているだけのレッドと違い、グリーンは自分で練習の指示を出すのが常だ。 その練習内容は普段のトレーニングの数倍。 しかも、今は期末テストが終わったばかりなので、部員達の体もなまっている。そのせいでいつもの何十倍の練習を したような気分を、イエローを含めた部員達は感じていた。 「イエローさん・・・・とりあえず片付けましょう・・・」 「そ、そうですね・・・」 身体が重いが、イエローは部活の後片付けを始めようクリスと歩き出した。 部活の後片付けは当番制で、今日の当番はイエローとクリス、シルバー、そしてゴールドの4人だった。 視界の端に、疲れた顔をしながら荷物を運ぶゴールドとシルバーが見えた。 それを見たイエローは、とりあえず片道具を部室に持って行くことにした。 「お、重い・・・・」 ダンボールがかなり重い。練習用具が詰まっているのでしょうがないものの、これを1人で運べというのはかなり酷な 作業だった。 だが、イエローは我慢して運んでいく。 そして、やっと部室までついた。 「だあ~!疲れたぜ~!」 ドス!という音を立てながら、ゴールドがダンボールの上に座り込んだ。ポケバト部の部室は、普段生徒が使う部屋 と物置部屋の2つに分かれている。荷物は物置部屋に入れるので、イエロー達は物置部屋の中にいる。物置部屋は 多くの道具とダンボールで敷き詰められていて、ゴールドはその内の1つに座り込んだのだ。 だが、使っていないダンボールには埃が溜まっている。 ゴールドが座ったダンボールも例外ではなく、座った途端に多くの埃が舞い上がった。 「ゴールドさん・・・・そこ、埃多いですよ」 「ん?まあ、気にすんな。よくあることだ」 よくあることなんだろうか、と思ったが、とりあえずゴールドのことは気にしないことにした。 イエローは、持って来たダンボールを物置部屋に置いた。 そして、床に置いたダンボールを壁にピタリとくっつくように引きずり寄せた。 これで仕事は完了。 やっと帰れる、とイエローはほっとした。 と、 「ん?なんだぁ、こりゃ?」 背中からゴールドの変な声が聞こえた。イエローはゆっくりと振り向く。 「あれ?ゴールド、何それ?」 他の部屋で道具の整理をしていたクリスが、ゴールドの声が聞こえたのだろうか、物置部屋に入ってきた。 イエローは、クリスに続いてゴールドの手の中を見てみた。 ゴールドが持っていたのは、1冊の本。 表紙にタイトルがあるはずなのだが、こすれて消えているらしく、見ただけでは何の本なのかまったく分からなかっ た。 ゴールドが本を掲げながら、クリスの問に答えた。 「さあ?俺が座ってたダンボールの下に挟まってた」 「何かの本かしら・・・?」 「ん~、よし!見てみるか。」 不思議そうな声を出しているクリスの横で、ゴールドが本についている埃を払ってゆっくりと本に手を掛けた。 そして、本のページがめくられる。 その本の中身は・・・ 「何かのアルバム・・・?」 クリスは、中身を見た瞬間に呟いた。 イエローも、その中身を見てみる。 本の中身は、人とポケモンが一緒に写っている写真と、色々なことが書かれている文が1ページごとに載っているだ けで、何か特別な本でもなさそうだった。 ただ、写真に写っている人物は皆笑った顔をしている。ポケモンもまた同じだ。 何故かとても嬉しそうだった。 「・・・・ポケモンリーグの優勝者のようだな」 「わあ!シルバー!」 いきなり横から聞こえた声にびっくりしたゴールドが、大声をあげた。 横にいたのはシルバー。本の中身を覗きこんでいた。 だがシルバーは、ゴールドの驚きように怪訝そうな顔をしていた。 「なんだ・・・何故そんなに驚く」 「いや、さっきまでいなかったのにいきなり出てこられちゃ、誰だって驚くって」 「ふん・・」 シルバーがゴールドの言葉に腹を立てたのか、それ以上は何も喋らず、物置部屋を出て行った。 しばらくの間、ゴールドはシルバーが出て行ったのを見ていたが、すぐに本の方に目を移す。 「それにしても・・これって結構最近のですよ・・・」 イエローが本の中身を見ながら言った。 中に書いてあるものはかなり最近のデータばかりで、去年の優勝者のデータも載っていた。 「ふーん」 ゴールドはどんどんとページをめくっていった。 それぞれ、2年前、3年前、4年前と、誰だか知らない優勝者の写真を見ていく。 「ん?」 と、ゴールドが手を止めた。開いているページは、5年前の優勝者が載ってある所。 「なあ、これってレッド先生に似てなくねえ?」 「どれどれ?」 ゴールドとクリスが、写真の人物をまじまじと見つめた。イエローも同じ様に見てみる。 だが、その写真はちょうど顔のところだけが破れていて、正確に誰かまでは分からなかった。 「う~ん・・・顔がよく分らないわね・・」 「だけどさ、ほら髪型とか服装とか・・・・・なんか似てる気がするぜ?」 クリスがそれに「そうね・・」と呟いた。 確かに、帽子を被って髪を少し立たせている様子や、服装の感じなどがかなり似ている。これで、破れている顔のと ころにレッドの顔を入れれば、間違いなくレッドになるだろう。 だが、イエローは気が付いていた。間違いなくレッドと違う所を。 「ゴールドさん・・クリスさん・・・・・名前が違いますよ」 え!?という様子で、2人は写真の下に書いてある名前を見た。 そこには「RED」という名前ではなく、「RAINBOW」という文字の羅列が書いてあった。 「レインボー・・・・?」 クリスがその名前を読んだ。 「・・・・・違うみてえだな。」 優勝者がレッドでなかった事に落胆したらしいゴールドは、溜息をついて、本をダンボールの上に乗せた。そしてその まま立ち上がり、部屋の中から出て行く。 クリスもそれについて行くような形で、部屋を去っていた。 ――・・・・・・・―― だが、イエローはそれについて行かなかった。ダンボールの上に乗ってある本を手にとり、さっきのページを開いてみ る。 ――確かに似てるけど・・・―― 5年前のリーグ優勝者・・・・ 立ち姿、髪型、服装・・どれをとってもレッドに瓜二つだ。そのレッド似の男――――本によるとレインボーらしい―― ――の足元には、ピカチュウが1匹、とても嬉しそうな表情で立っている。 しかし、やはり名前はレッドではなかった。 ――・・・・・名前も違うし・・・・・・ただのそっくりさんかな―― イエローはそこまで考えて、本を本棚に置き、部屋を出て行った。 イエローの日記・・ 7月24日 木曜日 晴れ 今日はゴールドさんの誕生日です!パチパチパチ! クリスの家でパーティを開きました。 クリスさんのお母さんは、かなり服装とか、容姿とかすごく若々しくて、母親とは思えなかったなあ・・・・なぜか語尾 に、「ぴょん」ってつけるけど・・・・ パーティの方は凄く楽しかった。 私とクリスさんはもちろん、シルバーさん、アカネさん、それにグリーン先生やブルー先生まで! みんなで、ゴールドさんにプレゼントあげたり、色々なゲームをしたりと楽しかったなあ。 あ!結局、私のプレゼントは私が作ったケーキということになっちゃた。それでもいいよね? みんなのプレゼントは・・・・・まあ、ここに書くと長くなるので書かないでおこうかな・・ あ!だけど、クリスさんはすごかったよ~なんと、モンスターボール一式!(高いんだよねえ。)ゴールドさん、とっても 嬉しそうに、「ありがとよ!クリス!」って言ってた。 あの2人は絶対、いい仲になると思うなあ・・ それでは、これで終わりましょう。(何かこの頃、これって日記って言わなくなってきたような・・・・) 明日もいい事がありますように。
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第1部 春~初夏 出会いの中の日常 第2部 盛夏~残暑 色とりどりの現象 第3部 秋~初冬 雲と露からの残光
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お絵かき掲示板 雑談掲示板
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第16話 合宿 ~2日目~ ジリリリリ!! 朝の6時。 目覚まし時計が鳴り、部屋に響いたのを聞き、眠い身体を無理に動かしたイエローは、時計のボタンを押そうと手を 伸ばした。 手探りで目覚ましを探し当て、上についているボタンを押した。カチ、という音と共に、ベルの音が静まる。耳が痛い。 音が大きすぎるのだ。 頭の中で目覚ましに悪態をつき、イエローはぼんやりと天井を見つめた。まだ頭がはっきりしない。半分あっちの世界 にいっている。 だが、そんな頭でも、ぼんやりと見る天井がいつものものではなかったのに気付いたイエローは、一瞬、ここはどこ? という思いに捕らわれた。自分の部屋の天井は、こんなものではなかったはず・・・・ ああ、そうか。 少しの間をとった後、すぐに合宿に来ている事を思い出した。そうだ。今はポケバト部の合宿で、宿舎に泊まっている はずだ。 納得したイエローは、頭がぼーっとしながらもゆっくりと身体を起こし始めた。目覚ましがなったのだから、そろそろ起 きないと・・・・ ――・・・・痛い・・―― 身体を起こしただけで悲鳴をあげる筋肉から、痛みが痛覚を通って脳に認識されていく。腕や足のそこかしこが痛 い。昨日の練習の量を思えば、当然のことだろう。昨日の練習は基礎トレと練習試合。2つとも、トレーナーにとって は筋肉疲労が激しい練習だ。 鈍い痛みによって、ぼんやりとした頭が徐々に覚醒してゆく。 多少ははっきりとした頭で、とりあえず周りを見渡してみた。 目覚ましの音も大きかったし、自分が動いた気配で誰か起きているかも知れない。同室のクリスとアカネはどこで寝 ているのか・・・ そう思いながら首を巡らせる。 しかし、 ――・・・・・・・何、これ・・・―― 周りに広がっている風景を見て、一瞬、呆然としてしまった。 まず、最初に目に付くのはトランプの散乱だ。大量のトランプがあちこちに散らばっている。いったい、何枚のトランプ があるのか・・・想像もつかない。 次に目に付いたのは、所々に寝転がっている見知った人々だ。全員が布団も引かず、昼間の服装のままで眠ってい て・・・・なんだか不思議な光景だ。だいたい、クリスとアカネ以外の人達がいるのはどうしてだ? そこかしこに転がっているビールの缶と、折り重なるようにして眠っている先生陣も、この疑問に拍車をかけている。 呆然とした頭のまま、イエローは考える。昨日の夜、いったい何があったのか・・・ そして数秒が経って、イエローは「あっ」と小さく呟いた。 思い出した。 昨日の夜、みんなでトランプ大会をやっていたのだ。ゴールド、シルバーなどのいつものメンバーに加えて、レッド達も 入り、それは盛大に行われた。ポーカーから大富豪、ナポレオンに、神経衰弱。はてはババ抜きまで。 そして、それはどんどんエスカレートしていき、消灯時間を過ぎても一向に終わる気配を見せなかった。それどころ か、いつの間にか持ち込まれていた缶ビールを、あろうことか合宿中の先生が飲んでしまったのだ。 この結果、酒が入った先生達と、合宿ということでハイテンションになった生徒達とで、終わりのないトランプ大会をす ることになり、そして・・・・ そして・・・ ――・・・・あれ?それからどうなったんだっけ?―― イエローは首を傾げた。 おかしい、記憶が無い。 みんながトランプをしているのを横目に1人、眠りたい、と思っていた所までは覚えている。が、何故かそれ以上のこ とが思い出せなかった。 普通なら、昨日の夜の事にあったことを忘れるはずは無い。まして、自分は記憶力がいい方なのだ。絶対に忘れな いはずだ。 しかし、やはりそれでも記憶は出てこない。まるで白い絵の具で塗り固められたかのように、記憶が真っ白になって いる。 ――駄目だ・・・―― イエローは、はぁ、と息をついた。 思い出せないなんて、いったい何があったのか・・・ 何か他の情報は無いか、とイエローは辺りを再度見回してみた。 見えるのは、やはりトランプの束とビールの空き缶、お菓子の袋に、眠っている仲間達だけで・・・ と、ある1点を視界に入れた瞬間、イエローは「うわ!」と驚きの声を出してしまった。 そこには、 ――どうしてゴールドさんとシルバーさんが・・・・―― 部屋の隅にて、ゴールドとシルバーが壁に寄りかかりながら、寄り添って眠っていたのだ。ゴールドがシルバーの肩 に頭を乗せ、シルバーがゴールドの腰に手を回している。まるで恋人同士が一緒に眠っているようなその姿は、普段 の2人からは想像もできないことだった。 2人が、どういう経緯でこんなことをしているのか・・・ ふと、2人の周りにもビールの缶が転がっているのが見え、もしかして、とイエローは思った。しかし、それはあっては いけないことだ。いくら先生達がお酒に酔っていたとしても、それだけはやらないはず・・・ そうやってゴールドとシルバーを眺めていると、ふと、視界の端で何かが動いた。 「ん、ん~・・・・・あれ、朝?」 唯一、掛け布団に身を包んで寝ていたクリスが、眠そうな声とともに、ゆっくりと身体を起こしていた。ツインテールに なっているいつもの髪は、今だけまっすぐに下ろされている。 「イエローさん・・」と言いながら、クリスがこちらを向く。しかし、次に彼女が見たのは、周りの悲惨な状況だった。それ に気付き、口を開けて呆然とした表情を出すクリス。数十秒ほど固まっていた彼女は、蒼白な顔のまま口を開いた。 「イ、イエローさん・・・・・これはいったい・・?」 「・・・たぶん、トランプをしたまま、みんな寝ちゃったんでしょう・・」 そうクリスに返しつつ、イエローは再び周りを見渡す。が、ふと不思議に思った。 なぜ、クリスが覚えていないのだろう? 「クリスさんは、昨日の夜にあったことは覚えてますか?」 「え?昨日の夜?・・・・・え~と・・・・トランプ大会をしていて、全然終わらなくて、そして・・あれ?思い出せない・・」 クリスは首を傾げ、眉をひそめた。 クリスさえも覚えていないことに対し、おかしい、とイエローは思った。自分とは違い、みんなと一緒にトランプをしてい たはずのクリスさえも、昨夜のことを覚えていない。ただ、トランプをしたまま眠ってしまったのなら、これはおかしい。 ここまで来ると、昨夜、確実に「何か」があったはずだった。 そう思いながら、イエローはとりあえず立ち上がってみた。筋肉痛が痛む。身体が壊れそうだ。 だが、筋肉痛の痛みの他にも別の痛みがあった。頭の後ろ、後頭部辺りが鈍い痛みを放っている。風邪でも引いた のだろうか、それとも急に立ち上がったせいなのか・・ 「うわあ!なんだこれ!」 突然、部屋の中に誰かの声が響いた。 イエローとクリスは同時にその方向を振り向くと、そこには驚ききった顔のジェルブがいた。床に手をつき、座ったまま 辺りをきょろきょろと見回している。 イエローは彼に「ジェルさん・・・・」と声をかけた。ジェルブは本当に何があったのか分からないのか、呆然とした表情 を見せていた。 「・・・イ、イエロー・・・・・これはいったい・・・」 「ジェルさんも覚えていないんですか?」 「え?あ、ああ。確か、ブルー先生に、無理やりお酒を飲まされて・・・その後は全然」 やっぱり、とイエローは思った。ゴールドとシルバーの周りに散らばっていたビール缶、自分もクリスもジェルブも記憶 がないという事実。そして、昨日のブルー達のハイテンションぶり。 どれも、生徒がお酒を飲んでいた、という状況証拠に近い。加えて、ジェルブの証言も出てきて、それははっきりとし た。 やはり、酔った先生達に自分たちはお酒を飲まされたのだ。 酔った時の記憶は残らない、とよく言われている。自分もクリスもジェルブも何も覚えていないのは、そのためなのか もしれない・・ ということは、先ほどからしつこく頭から放たれているこの鈍い痛みは、お酒の副産物――俗に言う、2日酔いなのだ ろうか? 「あ!時間!」 クリスが、目覚まし時計の時刻を見ながら、急に声を上げた。なんだか、慌てた声を出している。 「時間・・?」 オウム返しにそう言ったイエローは、クリスと同じ様に時計を見てみた。 現在の時刻は午前6時半・・ イエローは、なんとなくこの時刻に見覚えがあった。何か、紙みたいなものに書かれていたような気がする。そして、 この時刻に対し、自分は「起きれるはずがない~」と言っていたような・・・・ 「あ~!」 全てに気付き、イエローは大声をあげた。 その声は部屋に響き渡り、気持ち良さそうに寝ていたレッドの耳にも届いた。その声の大きさと、睡眠を邪魔された 事に対し機嫌を悪くしたのか、しかめっ面をして身体を起こし、声の出所を探している。 そして、それがイエローと分かると、一瞬驚いた顔をして、すぐに不機嫌な顔に戻った。 「・・・おい、イエロー・・・何大きな声あげんてんだよ・・」 「レッド先生!集合時間です!6時半!」 レッドのいらついた声も気にかけず、イエローは彼の目の前に目覚まし時計を持っていった。先ほど自分を起こした目 覚まし時計だ。 それに刻まれている時刻を見たレッドは、一瞬、へ?という声を出した。何を言っているか分からないらしい。 しかし、段々と理解していったのか「6時半・・」と呟くと、みるみる顔が青くなっていった。 そう、午前6時半というのは部員達の集合時間だったのだ。この時間までに支度をして、ロビーに集合しなければな らない。事前に配られたプリントに書いてあったのだ。 「やべえ!早く行かねえと!」 今の事態に気付いたレッドは、すぐに起き上がり、部屋から出て行った。おそらく自分の部屋に戻っていったのだろ う。ここまで荷物を持ってきていないはずだ。しかし、グリーンとブルーを置いていったままでいいのだろうか。 一方、イエロー、クリス、ジェルブの3人は、まだ眠っているゴールド達を起こそうと、彼らの身体を揺さぶっていた。 「起きてください!アカネさん!」 「ん・・・・・なんや・・・・・もう少し・・・」 トランプのカードを持ったまま、寝転がって眠っているアカネの身体を力一杯揺さぶってみた。しかし、昨日の夜が遅 かったせいなのか、ひと言呟いただけで一向に目を覚ましてくれない。 他方では・・ 「起きて!ゴールド!」 クリスがゴールドの頬を叩いている。だが壁に寄りかかり、シルバーの肩に頭を乗せているゴールドは一瞬顔をしか めて「なんだよ・・・・もうちょい」と言うだけで、起きようとはしなかった。 「ほら、シルバーも起きろ!」 その横ではジェルブがシルバーを起こしている。赤い髪の頭を小突き、なんとか起こそうとしているが、シルバーもま た顔をしかめ、無言のまま起きようとはしない。 だが、ゴールドとシルバーの2人は、一瞬だけ目をあけた。そして、その次には自分の横に何かがあるのに気付き、 2人共不思議そうな顔をし、同時に横を向く。 「「・・・・・・(しばらく無言)・・・・・・・・!!!!」」 2人共、自分の横で一緒に眠っていた人物を見て、言葉にならない悲鳴をあげた。そして口を大きく開けて固まって いたと思ったら、その後にはコンマ数秒の速さで一気に離れていった。 「「なんで俺の横にこいつが!!」」 互いを指差し、大きな声でハモる2人。 「2人共!そんなこと言ってないで、早く支度して!」 ギャーギャー叫ぶゴールドとシルバーに、クリスは殴りそうな剣幕を見せる。ジェルブはそれに気後れし、苦笑いを浮 かべ、一方のゴールド・シルバーは、喧嘩を始めそうな雰囲気を見せる。 そんな修羅場を眺めていたイエローは、うわぁ~と小さい驚嘆の声をあげる。本当にすさまじいことになっている。あ の2人が寄り添って眠っていたのだから、仕方のない事だろ・・・ しばらく呆然と様子をうかがっていると、いつの間にかアカネが目覚めているのに気がついた。自分の横で、自分と 同じ様にゴールドたちの様子を眺めている。 そしてこちらを向くと、 「なんか・・・・やばいみたいやな・・・」 と呟いた。 相変わらず、ゴールドたちの凄まじい状況を傍観しつつ、イエローは「はい・・・・なるべく、早く用意してくださいね・・」 と落ち着いた声で答えた。 「分かった・・わ・・」 アカネもまた、ゴールドたちとは対照的な静かな声で、応答を返していた。 ※ ゴールド達を起こす事に成功し、彼らが準備し始めると同時に、イエローもまた、自らの支度を始めていた。今日の予 定は、6時半に集合して早朝ランニングを行い、そこから朝食の予定だ。それほど用意が必要なわけでもないし、昨 日は体操服のまま寝てしまったので着替える必要も無い。軽く必要なものだけ持っていけば、大丈夫だろう。 とりあえず自分の支度は終わり、イエローは周りの状況を確認してみた。ゴールドやシルバーは自分の部屋に戻っ ており、クリスとアカネは自分の荷物の前で支度を続けている。 そして、レッドの方だが・・・・いつの間にかこの部屋に戻ってきていて、いまだに眠っているグリーンとブルーを起こし ていた。 「おい!グリーン、ブルー!起きろ!時間だ!」 2人の身体を揺さぶって、なんとかして起こそうとしている。 しかし、2人共まったく目覚めようとはしない。グリーンは「なにが・・・・」と眉をしかめ、ブルーは「なによ・・・・もうちょ っと・・」と文句を言うだけで、身体を起こそうとはしなかった。 しかしレッドは諦めず、かすかに開いた2人の目の前に、目覚まし時計を掲げた。 「「・・・・・・!」」 さすがの2人もその時刻に気付いたのか、すぐに顔を青くしていった。 レッドが「はやくしろ!」ととどめの催促をする。 「まずいな・・」 「よし、行きましょう!」 グリーンとブルーは、さっそく起き上がろうとした。 が、 「「イタタタ・・・」」 グリーンとブルーは、頭を抱えて再び倒れてしまった。まるで崩れるように倒れた二人を見て、イエローはおそらく2日 酔いだな、と思った。クリスやゴールド達の様子を見ても、頭が痛そうにしていた。生徒でさえそうなのだから、あれだ け飲んでいた先生達も、二日酔いになるはずだろう。 そう思いながら、イエローは、クリスとアカネが部屋から出て行くのを見て、レッドに「レッド先生!」と呼びかけた。早 く行かないといけない。 「おい!グリーン!ブルー!急げ!」 イエローの呼び声を聞いたレッドが、リュックサックを担ぎながら、寝転んでいる2人に声を掛けた。すでに集合時間 は過ぎており、急がないと、まずいことになる。 しかし、 「あ~・・だめ・・・ちょっと、無理。」 「後で行く・・・・・先に行け・・」 2人共、とてもつらそうな顔で、倒れこんでいるだけで、動こうとはしなかった。本当に辛そうだな、とイエローは思っ た。 それを聞いたレッドは、 「たくっ・・・早く来いよ!」 と言って、ドアをくぐり、そのまま出て行ってしまった。 イエローもそれに続こうとしたが、ふと寝ている2人が気になり、振り返って見てみた。すると、やはり苦しそうに倒れ ている2人がいて、それを見たイエローは、自業自得・・・かな?と思いながら、そのままドアから出て行った。 今は、6時40分。 もう集合時間は過ぎており、玄関には待ちぼうけを喰らっている部員がたくさんいるはずだ。 レッドの後ろを突いていき、旅館の廊下を走りながら、何故6時に起きた時に集合時間のことを思い出さなかったの か、とイエローは心持ち後悔していた。 部屋の中・・ 9人ほどいた部屋は、今ではグリーンとブルーの2人だけになってしまった。 やけに静かになっていて、セミの声さえも部屋に響いている。 「ねえ、グリーン・・・」 「なんだ・・・?」 「レッドって・・・・・どうして二日酔いになってないのかしら・・・」 「・・・・・・・・・・・なんとかは風邪を引かない、というのと同じなんだろう・・・」 別々に布団を引いて、どうにか寝る事に成功していた2人。今日は寝て過ごすつもりらしく、数十秒後には、2人の寝 息が聞こえていた。 練習場・・ 結局、朝の集合時間には大幅に遅れてしまい、ナナミや、部員のみんなにこっぴどく怒られてしまった。特にレッド は、ナナミにお酒を飲んでいたことがばれてしまいそうになり、慌てて朝のランニングに向かっていった。 しかし、それからは普通の合宿だった。 朝のランニング、体操、朝食、そして食べ終わった後すぐに始められた午前のトレーニング。それら全ては、朝の騒ぎ とはまったく無縁であるかのように落ち着いた練習を行っていた。 ただ、先生とレギュラーを除いては。 今も練習の最中なのだが、全ての部員の中でも、レギュラー達の動きが格段に悪かった。昨夜全員がお酒を飲まさ れていたらしく、みんながいつもの調子を出していないのだ。二日酔いは辛い。練習ができなくなるほどに頭が痛くな るし、何より身体がだるいのだ。イエロー自身も、その辛さを今実際に実感している。 特にゴールドとシルバーにはもう1つの原因があった。それは今朝の出来事――自分が1番嫌っている人物と一緒 に眠っていたという事実のために大きなショックを受けてしまったことだ。ゴールドはシルバーの顔を見る度に機嫌が 悪くなり、しかし二日酔いのせいでいつもの元気がなく、結局は練習のやる気さえも出さなくなっている。一方のシル バーは、ゴールドの顔を見るたびに気分を悪くしているようで、時々木陰で休んでいる姿が見受けられた。 レギュラー陣の調子の悪さは、目にも見えるほどに分かる。先の2人など、1年生に練習試合で負けそうになってい たのだから・・・・ そして次に、先生陣にも問題が起こった。 今、イエローは練習の合間に、その問題についてレッドと話をしている途中だった。 「レッド先生・・・・グリーン先生達はどうしたんですか?」 「ああ・・・あいつら、二日酔いで一歩も動けないみたいだ・・・・・・ったく、何やってんだか」 グリーン達がなぜ外に出ていないかをレッドに尋ねてみると、彼はそう答えた。やはり彼らは二日酔いで動けなくなっ たらしい。朝の様子は相当辛そうだったのだから、しょうがないだろう。 イエローは、だけど、と思ってレッドの顔を見てみる。彼の顔はまったく青ざめておらず、いつも通りの血色のいい色を していた。もしかしたら、いつもよりも調子が良さそうに見える。 少し気になっていたのだが、なぜグリーン達と同じ様にお酒を飲んでいたはずのレッドが、まったく辛そうではないの だろうか?・・・・・本当に不思議だ。 そうして彼の顔を一心に見つめていると、その行動が不思議に思ったらしく、レッドが「どした?」と尋ねてきた。イエロ ーは「いえ、何もありません・・・」ととりあえずの答えだけを返す。 その答えにさして気をかけなかったレッドは、「ふ~ん・・・・あ、そうだ、これからの練習だけど・・・」と言って、話を進 めてきた。 イエローはレッドの話に集中する。 「これから練習で、3つか4つに分かれるだろ?多分、1つのグループで20人は越えるだろうから・・・それ全部を俺1 人で見るのはちょっと無理なんだよなあ・・・ナナミさんはこういうことは出来ないし・・・・・」 「う~ん・・・・そうですね・・・」 イエローは腕を組んで考えてみた。 今、1番の問題はこれだった。 レッド1人で、50人を越える部員全員を教えたりするのはまず不可能だ。グリーン、ブルー、そしてレッドの3人によっ てなんとか面倒が見切れるのだから。 しかし、グリーンとブルーはそんな状況ではなかった。今頃、部屋の中で頭痛と吐き気と戦い、なるべく多くの水分を 取っている事だろう。今日1日は動けないに違いない。 イエローははぁ、と息をついた。こうなると、教える側の人物が後1人は欲しい。レッドとその1人の人物とで2つのグ ループを見て、残りの1つは部長である自分が見れば、なんとかなるのだが・・・・ ナナミでは無理に決まっている。彼女は保健の先生だ。こういうことを教えるようなことはできない。 後1人が、本当に欲しいのだが・・・・ 「俺がやろう」 「「え?」」 レッドと共に腕を組んで考えていると、急に聞き覚えがある声が聞こえた。 横を振り向くと、まず目に付いたのは赤く、そしてオールバックにしている髪の毛だった。そしてその髪の持ち主に目 を移すと・・・・・そこにいたのはワタルだった。 「ワタル・・・・さん・・・・?」 「俺が見てやってもいい。どうせ暇だからな」 ワタルはGパンにTシャツ、そして上着には旅館の羽織というラフな格好で、イエロー達の前に立っていた。手にはモ ンスターボールの存在も見える。彼の持ちポケモンだろう。 それを見て、さらにはさきほどのワタルの言葉を聞いて、イエローはえ?と思った。まさか、ワタルが・・・・? そんなイエローの表情にも気が付かず、レッドがワタルに向かって言った。 「本当か!そりゃ助かる。お前なら教えるのも上手そうだしな」 「普通よりは」 手放しにこの話を喜んでいるレッド。確かにワタルが入ってくれたら人数も足りるし、レッドの負担も少しは減る。ワタ ルの実力も申し分ない。 だが、大事な所を見落としてないのだろうか? イエローは戸惑いながらワタルの顔を見た。今の彼は、いつもの厳しい表情はなりを潜め、少しだけ微笑んでいるよう な気がした。 「―――で、お前はここのやつを頼む」 「分かった」 合宿の内容をワタルに説明しているレッド。イエローはそれを呆然とした様子で眺めていた。 説明を終えると、レッドは「おっと、そろそろ俺、グリーン達の様子見てくる。ちょっと、部員達を見といてくれ」と言っ て、旅館の方に戻って行ってしまった。 「「・・・・・・・」」 しばらく、イエローとワタルの2人は無言だった。ワタルは普段からそれほどしゃべらない方だし、イエローはイエロー で、いつもの雰囲気とはまったく違っているワタルに警戒心を抱いていていたのだ。 今日みたいな彼は・・・慣れなかった。 それでも、どうしても聞いてみたいことがイエローにはあった。 イエローは、おずおず、といった様子でワタルの方を向く。 「あの・・・・」 「なんだ?」 「こんなことしていいんですか・・・?」 そう、こんなことだった。 ワタルは四天王学園ポケバト部の部長だ。ライバル校のポケバト部。しかもその中でも最強の呼び名が高い部長、 ワタル。いつも周りの人物に一目置かれている人。 そんな人物が自分たちをコーチしたりして、いいはずがないのだ。 イエローはそう思いながら、ワタルの目を見た。 するとワタルは、一瞬だけ少し驚いた顔をした。まるでこちらが言っていることを予想外だと感じているとようだ、とイエ ローは思った。 しかし、その表情もすぐに隠れてしまい、いつもの厳しい表情に戻った。そして目を瞑り「そうだな」と呟いた。 イエローはこの言葉を聞いて、「そうだな、じゃないですよ。あなたは四天王学園ポケバト部の部長ですよ」と、強い語 調で反論する。軽い言葉で片付けられる問題でもないのだ。 しかし、ワタルは相変わらずの表情を崩さないで続ける。 「ああ。確かにそうだ・・・・・・しかし、今の俺は『四天王学園のワタル』ではなく、『旅館の若旦那のワタル』だ。お客 が困っていたら助けるのが普通だろう」 ワタルはそう言うと、「じゃあ、俺はレギュラー陣を見てくるからな」と、現在も練習しているゴールド達のもとに行って しまった。どうやら本当にコーチをするらしい。 イエローはワタルの後ろ姿を見ながら、呆然としていた。 今の言葉といい、態度といい、表情といい・・・・ワタルがあまりにも優しすぎる、とイエローは思った。なんなのだろう か?この変化は。 前までのワタルなら、コーチをすることを頼んだとしても「フン・・そんなことをやるはずがないだろう」と一蹴してしまう はずだ。 しかし、今のワタルは自分からやりたいと言ってきた。積極的にかつ、好意的に。 ――もしかして・・・・―― ゴールド達が練習している方を見てみる。今ちょうど、ワタルがゴールドやクリスに何かを教えている最中だった。レ ギュラーたちは突然現れたライバル校の部長に驚きの顔を見せているが、ワタルはそんなものも気にせず、熱心に 指導を行っていた。練習の節目にシルバーに助言したり、アカネのポケモンの状態を見たり・・・・ そんなワタルの姿を見て、イエローは思った。 ――あの人って・・・とっても優しい人なのかも―― そう考えながらも、まさかねと結論づけたイエローは、そのまま練習に戻っていくことにしたのだった。 旅館 イエローの部屋・・ ――ふう~―― イエローは自分の部屋で一息を入れているところだった。今の今まで色々なことをやってきた。練習とその後片付 け、レッドとこれからのことを話し合い、部員達が全員いる事を確認し、その後にこの部屋に戻ってきた後は、私用の 雑務。 それら全てが終わり、やっとのことで休憩が入れる事ができたのだ。 壁に身体を預けて、床にぺたんと座り込んだイエロー。身体がどうしようもなく疲れている気がする。朝の二日酔いは ほとんど治っているが、今日の練習が少し厳しかった。それが原因だろう。 目の前には、クリスとアカネが布団の上で眠っている姿があった。 ――どうしようかな・・・―― そんなことを考えながら、目の前で具合悪そうに寝ている2人を見てみた。 クリスとアカネは二日酔いと練習の疲労でダウンしている所だった。2人は昨日の夜、結構な量のお酒を飲まされた らしく、深刻な二日酔いの症状を今でも見せている。朝よりは回復している自分とは違って、これは辛いだろう。 イエローは2人に少し目を向けてみた。白色の布団に身を包んでいる2人は気持ち良さそうに眠っていた。この様子 なら明日には回復しているはずだ。 そう思ったイエローは、さてどうしようか、と思った。時計を見てみると、次の夕食まで30分も時間がある。雑用で忙し かったにも関わらず、こんなに時間が余るとは予想外だ。クリスとアカネの2人はダウンしているし、おそらくゴールド たちも同様だろう。これでは誰かとおしゃべりをしたり、トランプをしたりというのができない。 ようするにイエローは今、暇だったのだ。 ――ん~・・・・そうだ!―― 1つやることを思いついたイエローは、重い身体を動かして自分のカバンへと向かって行った。初日の朝にひいひい 言いながら持ってきた、あの物凄く重たいボストンバックだ。 バッグの中を探り、イエローは中から本を取り出した。最近買ったばかりで、まだ全部を読んでいない本だ。暇つぶし にはちょうどいいかもしれない。 壁にもたれかかって疲れない姿勢をつくり、すぐに本を開いてみた。 本の題名は『人と恋人と友達と』というものだ。なんとなく表紙の絵と題名、そして背表紙に書かれた寸評に惹かれ た。内容は・・・・・ラブコメディ&シリアスのようなものだった。 主人公はある高校生の男子。ポケバト部に所属し(ポケバト部は普通の学校なら存在している)、成績も普通。普通の 高校生活を送っていた。 しかし、ある日転校してきた女子生徒にその少年は物凄く惹かれた。暗く、それでいて冷静で、クラスの誰もが近寄 りがたくなっている少女だったが、少年だけは違っていた。その転校生と喋りたいと思った。 転校生は少年と同じポケバト部に入る事になる。バトルの実力も十分すぎるほどあった少女はいつの間にかポケバト 部№1の座を得る事になった。少年はそんな少女に惹かれつつ、強い彼女に気後れしてしまう。 少年は少女に近づこうと、特訓をする事になった。それに付き合ってくれたのが、幼馴染の友人2人。男の子が1人と 女の子が1人。昔からの付き合いで、色々と相談してくれたのだ。 その特訓の末、少年は少女と同じ様な実力を得る事になった。そして、近づいてきた公式試合。少年は少女の試合 パートナーとなり、タッグ戦に出場する事になる。 だが、公式試合前日。少年は衝撃的な事実を知る事になる。幼馴染の友人の内、男の子の方が転校生の少女を好 きになっており、そして幼馴染の女の子の方が自分を好きだと告白してきたのだ。 と、これが今まで読んできた本の内容だった。なんとなくこの少年に共感するような場面もあれば、「これは違 うんじゃあ・・」と思うようなシーンもあった。これまでの読んできたのでようやく半分だ。今から、これの続きを読んでい く事になる・・・ ページを繰り、文字の上に目を滑らしていく。どんどん文の中に引き込まれていった。 『あなたは・・・・もう少し他人のことを考えたほうがいいわね』 『え?』 『あなたが思っているほど、他人は単純ではないということよ』 転校生の少女が、少年に向かって言うセリフ。 イエローはそのページを見ると、ふとページを繰る手を止めた。 そして、もう一度少女のセリフを読み返す。 『あなたが思っているほど、他人は単純ではないということよ』 ――・・・・ワタルさんも?―― ハッ!としたイエローは、急に頭の中に出てきた考えに驚いた。なぜいきなり彼のことが思い出されてくる? 驚きと少しの恥ずかしさから、イエローは頭を振って、もう一度本に集中しようとした。 だが一度思い浮かんだことは、どうやっても消える事は無かった。本の中にある転校生のセリフを見るたび『他人は 単純ではない』という言葉が思い出されてしまい、結局はワタルのことが頭に浮いて出てくる。 そんな自分の様子に、イエローは溜息をついた。しょうがない。ここは本を諦めよう。 イエローは仕方なく本を閉じ、ワタルについて少し考えてみる事にした。 今日の練習は・・・・ワタルが見てくれたお陰でなんとか行うことができた。 いや、なんとかというより、普段以上の質で練習を終えたかもしれない。それほど、ワタルが入った事は重要な要素 だった。 ワタルは、やはり最強の竜使いと呼ばれるだけあって、人に教えることも非常に上手だった。自分は他の班を見てい たので直接はコーチして貰っていないが、直接教えを受けたゴールド達に聞くと、口を揃えて言っていたのだ。『あい つは教えるのが上手い』と。 しかし・・・やっぱりよく分からなかった。何故、彼は今日に限って異様なまでに優しいのだろうか? イエローにとってのワタルの第一印象は、「凄い人だな~」だった。これは、ポケモンバトルの大会で彼が戦っている のを見たときに感じたものだ。 そして、次に思ったのは、「変な人・・・」だった。 彼は自分の学園へと、半ば無理矢理に引き込もうとしてきた。何度断っても諦めない。まるでそれが使命であるかの ように、しつこく勧誘してきたのだ。 それからはワタルを苦手に思っていた。色々な策を弄して、自分を引きもうとしていた彼は、苦手に思う要素が満杯だ っただろう。 だが・・・・・今日は違った。 あまりにも優しく、あまりにも親切。 言葉遣いは変わらないが、その言葉の切れ目からも彼の優しさがにじみ出ている気がした。 これにより、今のワタルの印象は180度変わっていった。 練習中にも考えた事だ。 彼はもしかしたら物凄く優しいのかもしれない、と。 それでも彼が普段から厳しそうにに見えるのは、自分がそういう風に見ているだけ・・・? ――そうかもしれない―― イエローはそう思った。 思えば、ワタルに関する噂はいつも、恐いとか厳しいとか、そういう感じのものばかりだった。強く、厳しく、冷静で、他 人と付き合うような事は一切しない人物。それがワタルという人物だ、と聞いていた。 だが、その噂の真相は、もしかしたらまったく違っていたのだろうか?ワタルのことを『変な人』だと思ったことはある が、実際に『厳しい』場面を見たことなど、1つもないのだ。 自分はただ噂に影響されて、今までワタルのことを勘違いしていたのだろう・・・・ 『他人は単純ではない』 他人というのは、人の噂によって単純に表わせるものではない。その身近な例がワタルなのかもしれなかった・・・ コンコン! 急に、ドアのノック音が聞こえ、イエローは物思いから現実に引き戻されていった。 誰?と思いながら、ドアに近づいていき、ノブを回して開ける。 するとそこにいたのは・・・まさしく心中の人物だった。 「ワタルさん!」 「ああ、いきなりすまないな・・・」 イエローは驚いた。ついさっきまでこの人物について考えていて、急にその人物が目の前に出てきたのだ。まるで自 分の心の中から出てきたようで、恥ずかしい。 よく見ると、ワタルは昼間の服ではなく、この旅館のユニフォーム――浴衣を少し変えた羽織を着ていた。いつもの表 情を浮かべて、こちらを見据えてくる。 イエローは戸惑いながらも、「なんですか?」と言った。 ワタルは表情を変えなかった。 「ああ・・・・明日、山で何かやると言っていたな?」 「えっと・・・ああ、あれですか。はい、明日の朝から山に登って、野性ポケモンをどれだけ捕まえられるか、というのを やりますけど・・」 「そうか・・・・」 そこまで言うと、ワタルはあごに手を当てて考え込み始めた。 いったい、明日の行事に何があるのだろうか? イエローは彼が何をいいたいのかよく分からず、次の言葉を待つ事にした。 「イエロー・・・・」 神妙な顔でこちらの名を呼んできた。それにイエローは「はい?」と答え、彼の顔を見据える。ワタルは少し青い顔を していた。 「明日にでもほかのやつらに言うが・・・あそこの山は結構いわくつきでな・・・・遭難者も多数出ている」 「そうなんですか!?」 これは驚いた。そんな話は旅館の人からも聞かなかったし、時々喋る付近の住人からもそんな話は出なかった。 ワタルは真剣な表情で続ける。 「・・・・・・まあ、気をつければ大丈夫だと思うが、一応、もしものための準備はしておけ・・・・・・・・・それと・・・・・どう やら、酒はもう大丈夫のようだな」 「え?あ、はい・・」 まただ。 また、彼に似つかわしくない労わりの言葉。 いったい何があったのだろうか?ただ、客として扱っているだけ? 「それともう1つ・・・」 「まだ、何か?」 「ジェルブはどこにいるんだ?」 「え・・・・ジェルさん・・?」 イエローは不思議に思った。 何故、ワタルはジェルブのことを・・?ジェルブとワタルは今日はじめて知り合うはずだが・・・・ 疑問に思っていると、それをこちらの表情から読み取ったのか、ワタルが言いつくろうように「ああ。昼間の練習で気 になることがあったから、それを言いたいだけだ」と言った。 そういえば、午後の練習でワタルとジェルブが一緒に練習していたような気がする。初対面にしては言葉が多かった し、仲がいいと言うにはあまり喋っていなかった。明るいジェルブと厳しいワタル。2人は相性がいいのか悪いのか・・ 微妙な感じなのだろう。 イエローは納得し、「そうですか。ジェルさんなら、2階の205号室で寝ているはずです」とジェルブの部屋を教えてや った。 「そうか」 ワタルはそう言うと、すぐに立ち去っていってしまった。階段に向かっているのを見て、おそらくさっそくジェルブの部屋 に向かっているのだろう。 バタン イエローは扉を閉め、先ほどまでもたれかかっていた壁の前に再度座って、もう一度物思いにふけようとしてみた。要 素はいくらでもある。今もまたワタルは、普段の雰囲気とはまったく違っていたのだから・・・ だが、ふと目覚まし時計が目に入り、絶句した。 「ろ、6時半!」 6時半は、夕食を食べるために食堂に集まる時間だ。 イエローは急いでアカネとクリスを起こそうと、2人が寝ている傍に近寄っていった。 旅館の前・・ 「こんなところにいたか」 「ワタル・・・・久しぶり」 旅館の玄関。ホールから自動ドアを抜け、駐車場へと抜ける道の上で、ワタルはジェルブを見つけていた。イエロー から聞いた部屋に行ってみたものの、そこには2人組――確かゴールドとシルバーという名前だったはず――が喧嘩 していただけで、ジェルブの姿がなかった。そして、色々と従業員に聞いてみたりして彼を探すと・・・玄関の前にジェ ルブが立っていたのだ。 ワタルはジェルブの横に立ち、彼の顔を見る。 「久しぶり・・でもない。練習中に喋っただろう」 「まあ、な。だけど辛かったな~初対面のフリってのは」 ジェルブが笑いながら言った。確かに初対面のフリは少々難しかった。相手のことを隅々まで知っているような間柄 なら、尚更だろう。 ジェルブはそれから何も喋らなかった。何か1点を見つめている。ワタルはその視線と同じ方向を見てみたが、そこに は何もなかった。 「・・・・何を見ている」 「山」 短く答えたジェルブに、ワタルは「そうか」と言い、同じ様に山を見てみた。 山はいつも通りに緑に茂っていた。空が夕焼けになっているのに反映されて、木々の緑もオレンジ色に染まってい く。あたり一面がオレンジになっていくさまは、ここに来てから何度も見た光景だが、それでも感心するものだった。 「さあ、明日も仕事をがんばろう・・・・ってか?」 「そうだな」 ふざけた口調で言うジェルブに、ワタルは対照的な真面目口調で答えた。それをジェルブが少し笑ったような気がす るが、ワタルにはオレンジ色に染まっている風景だけが目に入っていた。 イエローの日記・・ 今回のイエローの日記は、イエローが、夕食を食べてお風呂に入った後、すぐに寝てしまったので、ありません。
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DoJa-5.1→Star-1.0の変更点 DoJa-5.1→Star-1.0の変更点主な新機能対応機種 スペック強化 iウィジェット(ミニアプリ) Flash連携 タッチパネル シンセサイザ UIの強化 iアプリオンライン iアプリコール マイメニュー登録 独自クラスの組み込み 追加されたクラス[任] FlashPlayerPane ImageReference Launcher MediaMovie NativeMoviePlayer StarApplication StarApplicationManager [任] Synthesizer [任] TouchDevice [信] ByteArrayClassLoader [信] Contents [信] Invitation [信] PhoneTheme [信][任] RawImageCapture [信] SocketConnection [信] UDPDatagramConnection 変更のあったクラスCamera Canvas CodeReader Display Font Frame Phone PhoneSystem ScheduleDate VisualPresenter 削除されたクラスIApplication MApplication [信][任] GPSLocationProvider MediaData [任] OwnerProfile ShortTimer [任] AudioPresenter2 [任] Camera2 [任] IlluminationDisplay [任] IrReceiver [任] PedometerSettings [任] PictureLight [任] Pulsemeter [任] RadioTuner [任] SpeechListener [任] SpeechSynthesizer [任] Sprite [任] SpriteSet [任] SubDisplay [任] TransparentImage 主な新機能 対応機種 F系:F-01A, F-03A P系:P-01A, P-02A SH系:SH-01A, SH-03A, SH-04A N系:N-01A, N-02A, N-04A スペック強化 アプリのサイズが2048KB(JAR+スクラッチパッド)に増えた iウィジェット(ミニアプリ) StarApplicationなど複数個同時に実行される小型iアプリを作成できる 端末のiウィジェットキーでWidgetViewを起動→アプリが起動という流れ Flash連携 FlashPlayerPaneiアプリの画面上で直接Flashを再生できる 各種パラメータやイベントの取得や設定が可能 タッチパネル TouchDeviceタッチ開始、ムーブ開始、ムーブ終了、タッチ終了を検出可能 シンセサイザ Synthesizerシンセサイザを動的制御して音を鳴らすことができる UIの強化 Frame決定キーへのラベル設定ソフトキーのように決定キーに文字を表示できる 決定キーの機能を明確にできる 方向キーの矢印の表示設定方向キー使用可否やスクロール有無を示せる Font対応フォントサイズの増加12/16/24/30/32/48/60ドット+拡張サイズが使用可能 DoJaで確実に使用できるのは12/24ドットのみ(他のサイズは機種依存) iアプリオンライン SocketConnection, UDPDatagramConnectionTCP/UDPによるレスポンスのよい通信 リアルタイムなオンラインゲームが実現可能 iアプリコール Invitation電話帳と連携して、iアプリオンラインの参加呼び出し/召集をする 呼び出し先がアプリを持っていない場合はサイトへ誘導したり直接ダウンロードさせたりできる マイメニュー登録 Contentsマイメニューへの登録/削除をアプリ上で行える 独自クラスの組み込み ByteArrayClassLoaderクラスを外部から取得して組み込める 拡張機能をネットワークから取得するなどの使い方が可能 追加されたクラス [任] FlashPlayerPane Flash再生用のFrame(フルスクリーン) 各種パラメータやイベントの取得や設定が可能 オプションAPI ImageReference 通常よりも省メモリな画像クラス初回の描画時に画像を内部形式に変換する 変換したデータを共有メモリにキャッシュできるためヒープの消費が少ない Launcher ブラウザやワンセグなどを起動する元はDoJaのIApplicationに同様の機能があった MediaMovie 動画のMediaResource以前は(名前に反して)MediaImageが使われていた NativeMoviePlayerで再生可能 NativeMoviePlayer ネイティブの動画プレイヤーでMediaMovieを再生する URLを指定しての擬似ストリーミング再生も可能再生完了後に動画をMediaMovieとして取得できる StarApplication DoJaのIApplicationに相当するこのクラスのインスタンスが生成され、started()が呼び出される StarApplicationManager JAMとのやりとりをする元はDoJaのIApplicationに同様の機能があった [任] Synthesizer シンセサイザを動的に制御して音を鳴らす オプションAPI [任] TouchDevice タッチパネルの制御タッチ開始、ムーブ開始、ムーブ終了、タッチ終了を検出可能 エミュレータではマウス操作で簡単にテストできる オプションAPI [信] ByteArrayClassLoader Jar形式のバイト列から動的にクラスをロードするクラスを使うにはClass.forName()する トラステッドアプリ専用 [信] Contents マイメニューへの登録/削除を行う トラステッドアプリ専用 [信] Invitation 他の端末内のStarアプリを起動する端末内にアプリがない場合はサイトへ誘導したり直接ダウンロードさせたりできる 対象は電話番号で設定する相手の電話番号が電話帳に登録されていないと例外が発生する トラステッドアプリ専用 [信] PhoneTheme 待ち受けなどの各種画像やメニューのテーマを設定するDoJaではPhoneSystemの機能だった トラステッドアプリ専用 [信][任] RawImageCapture カメラを使ってRAW画像を取得する トラステッドアプリ専用 / オプションAPI [信] SocketConnection TCPによってレスポンスのよい通信を行う クライアント/サーバ型とPeer-to-Peer型の接続が可能 トラステッドアプリ専用 [信] UDPDatagramConnection UDPによってレスポンスのよい通信を行う クライアント/サーバ型とPeer-to-Peer型の接続が可能 トラステッドアプリ専用 変更のあったクラス Camera getImage()がMediaResourceを返すようになった静止画(MediaImage)と動画(MediaMovie)のクラスが分かれたため 以前はどちらもMediaImageを使っていた getMaxImageLength()がgetMaxMovieLength()に変更された動画の情報にも関わらず名前がImageになっていたため? Canvas Canvas#imeOn()の定数をCanvasが持つようになった Canvasが初めてDisplay.setCurrent()されたときにCanvas#init()が呼ばれるようになった CodeReader Code 128を示すコード種別の追加基本的にCODE_128をsetCode()して読み取り、getResultCode()で種類を調べる CODE_128, CODE_128_GS1, CODE_128_AIM, CODE_128_GENERIC Display ソフトキー3/4を示す定数の追加定義値はKEY_SOFT1, KEY_SOFT2とは連続していない KEY_SOFT3, KEY_SOFT4 TouchDeviceのイベントを示す定数の追加 TOUCH_MOVEDEND_EVENT, TOUCH_MOVEDSTART_EVENT, TOUCH_PRESSED_EVENT, TOUCH_RELEASED_EVENT KEY_IAPP(待ち受けiアプリの切り替えキー)が無くなった!F-01Aの場合はKEY_CLEAR(オプションAPI)として取得可能 DoJaプロファイルでは問題なく取得可能 オプションAPIになっていた定数の一部が削除された KEY_UPPER_LEFT, KEY_UPPER_RIGHT, KEY_LOWER_RIGHT, KEY_LOWER_LEFT KEY_MENU, KEY_I_MODE, KEY_PHONE_BOOK, KEY_CALENDAR, KEY_MANNER_MODE, KEY_DRIVE_MODE, KEY_MY_SELECT, KEY_CAMERA, KEY_CAMERA_ZOOM_IN, KEY_CAMERA_ZOOM_OUT, KEY_CAMERA_SELECT, KEY_CAMERA_LIGHT, KEY_CAMERA_SHOT Font デフォルトフォントが24ドットになったDoJaでは12ドットだったDoJaからの移植時は注意が必要 引き続きデフォルトを12ドットにする場合はFont.setDefaultFont()を使う Font.getSupportedFontSizes()が基本APIになった代わりにgetFont(int type)とサイズ関係の定数が無くなった 12/16/24/30/32/48/60ドットは確実に使用可能機種によってはそれ以外のサイズもサポートしている場合がある タイプ関係の定数が無くなった Frame ソフトキー4つを制御可能それぞれのキーイベントの取得とラベルの設定が可能 DoJaでは左上と右上の2つだけだった ソフトキーのラベルに設定できる文字数の増加全角4文字まで設定できるようになった DoJaでは互換性を考えて全角2文字までだった 方向キーの矢印の表示/非表示設定 決定キーのラベル設定 Phone 端末のID、SIMのID、SIMのバージョンが取得できなくなったPhoneSystemに移行した 上記変更により発信のみが行えるクラスになった PhoneSystem 次の状態を取得可能になった電源状態(バッテリ/外部電源) 電波状態(圏外/アンテナ0~1本/アンテナ2本/アンテナ3本) 電池残量をより詳細に取得できるようになったDEV_BATTERY_LEVELの値が0~DEV_MAX_BATTERY_LEVELの値を返すようになったただし外部電源使用時は-1を返すので注意 機種によっては4段階以上の情報が得られる可能性がある(エミュレータでは100段階) int bat_level = PhoneSystem.getAttribute(PhoneSystem.DEV_BATTERY_LEVEL); int bat_max = PhoneSystem.getAttribute(PhoneSystem.DEV_MAX_BATTERY_LEVEL); String msg = "電池残量は" + (bat_level * 100 / bat_max) + "%です。"; 端末のID、SIMのID、SIMのバージョンを取得できるようになったPhoneからの移行 ScheduleDate 繰り返し回数無限(COUNT_INFINITE)が追加された 日時の指定が期間(開始日時と終了日時)に変更された以前は単純な日時だった VisualPresenter 動画の再生ができなくなった動画再生にはNativeMoviePlayerを使う 削除されたクラス IApplication StarApplicationに統合されたため IApplicationのJAM寄りの機能はStarApplicationManagerに移行 IApplicationの起動系機能はLauncherに移行 MApplication Starは待ち受けアプリに対応していないため [信][任] GPSLocationProvider 測位方法がGPSしかなかったため? LocationProviderは引き続き使用可能 MediaData 使い道が無かったため [任] OwnerProfile 対応機種が無かったため ShortTimer Panelでは使用できなかった Timerで代用可能 [任] AudioPresenter2 AudioPresenterに全機能が実装されたため [任] Camera2 RawImageCaptureが追加されたため?画像のエンコード形式の指定が可能だったがJPEGとRAWしかなかった [任] IlluminationDisplay Pの数機種のみ対応していた [任] IrReceiver 追加のタイミングが遅かったため? [任] PedometerSettings 追加のタイミングが遅かったため? [任] PictureLight SHのみ対応していた [任] Pulsemeter 追加のタイミングが遅かったため? [任] RadioTuner Dのみ対応していた [任] SpeechListener 何故か各種ドキュメントには記載されていない [任] SpeechSynthesizer 何故か各種ドキュメントには記載されていない [任] Sprite DoJaの時点で基本APIに存在 [任] SpriteSet DoJaの時点で基本APIに存在 [任] SubDisplay Nの多くの機種が対応していた [任] TransparentImage DoJa-5.0以降はImageで代用可能
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罫線を描画します Bordersで線の場所を指定し、LineStyleで罫線の種類、Weightで太さ、ColorIndexで色を設定します。 プロパティ 線の場所 xlDiagonalDown 右上がり斜め線 xlDiagonalUp 右上がり斜め線 xlEdgeTop 上辺 xlEdgeLeft 左辺 xlEdgeRight 右辺 xlEdgeBottom 下辺 xlInsideVertical 内側(範囲内)の水平線 xlInsideHorizontal 内側(範囲内)の垂直線 LineStyle 罫線種類 xlContinuous 実線 xlDot 破線 Weight 罫線の太さ xlHairline 極細線 xlThin 細線 xlMedium 太線 xlThick 極太線 ColorIndex 罫線の色 xlAutomatic 自動 色の種類番号(他参照) 色の種類 線の種類設定 Workbooks(ThisWorkbook.Name).Worksheets(1).Range("A1 Z10").Borders(線の場所).LineStyle = 線の種類 Workbooks(ThisWorkbook.Name).Worksheets(1).Range("A1 Z10").Borders(線の場所).Weight = 線の太さ Workbooks(ThisWorkbook.Name).Worksheets(1).Range("A1 Z10").Borders(線の場所).ColorIndex = 線の色